高崎市の産後ケア・母親支援
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生後3ヶ月の赤ちゃんに必要なミルク量とは?飲む量・間隔・注意点をやさしく解説

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この記事の監修
髙津 三枝子(特定非営利活動法人 地域母親支援サージファム)・助産師免許
・群馬大学大学院医学系研究科博士前期課程修了
・群馬県内看護系大学、助産師学校非常勤講師
毎日子育てに奮闘し、心身ともに疲れを感じているお母さま方を少しでもお助けしたいという想いから、
特定非営利活動法人 地域母親支援サージファムを設立いたしました。以来、皆さまの育児が少しでも楽になるよう、日々努めております。
生後3ヶ月ごろになると、赤ちゃんの飲む量や授乳のペースがだんだん落ち着いてくる時期です。
ただ、ミルクの量が足りているかどうか、不安になることもあるかもしれません。
赤ちゃんによって飲み方に差があるため、目安を知っておくことで、ちょっと気持ちがラクになることもあります。
育て方や生活スタイルによっても違いがあるので、無理なく過ごしていけるように工夫していきたいですね。
本記事では、生後3ヶ月のミルクの量や授乳のリズムについて、分かりやすくご紹介します。
目次
生後3ヶ月の赤ちゃんのミルク量の目安はどのくらい?
生後3ヶ月になると、赤ちゃんの胃も少しずつ大きくなり、授乳のリズムも整い始めます。
生後3ヶ月に飲むミルクの量には目安があり、1回の量や1日の総量を把握しておくと安心です。
1回あたり160〜200mlがひとつの目安
生後3ヶ月の赤ちゃんは、1回の授乳でおよそ160〜200mlくらいのミルクを飲めるようになってきます。
生まれたばかりの頃と比べて胃が少しずつ大きくなってきているため、1度に飲める量も自然と増えていきます。
飲む量には個人差があるので、いつも200mlぴったり飲むとは限りませんが、少しずつリズムが整い始める時期でもあります。
もし途中で飲むのをやめてしまっても、赤ちゃんの機嫌が良く、体重が順調に増えているなら、それほど心配しすぎなくても大丈夫です。
赤ちゃんの様子を見ながら、無理のない範囲でミルクをあげていきましょう。
1日の総量は800〜1,200mlが基準
生後3ヶ月の赤ちゃんにとって、1日に必要とされるミルクの量は、おおよそ800ml〜1,200mlが目安になります。
ただし、赤ちゃんの体格や成長スピードによって必要な量は変わってきます。
以下のように、体重ごとの目安を参考にしてみてください。
■体重別・ミルクの1日量の目安(完全ミルクの場合)
• 体重5kg → 約800〜1,000ml
• 体重6kg → 約960〜1,200ml
• 体重7kg → 約1,120〜1,400ml
ただし、赤ちゃんによって飲みムラがあることも自然なことなので、「ミルクを飲む量が少なかった日があっても大丈夫」と、気持ちにゆとりをもって見守ってあげてくださいね。
授乳の回数と間隔、どんなリズムがいい?
生後3ヶ月頃になると、赤ちゃんの授乳リズムがゆっくり整い始めます。
授乳の回数や間隔の目安を知っておくと、毎日の過ごし方に少し余裕が生まれるかもしれません。
授乳は3~5時間おきが基本、ただし個人差あり
生後3ヶ月になると、赤ちゃんの授乳間隔は少しずつ落ち着いてきます。
目安としては、ミルクや混合育児なら3〜5時間おき、母乳だけの場合はやや短めの3~4時間おきが一般的です。
母乳のほうがミルクに比べて消化が早いため、授乳の間隔が若干短くなります。
ただ、赤ちゃんによって飲む量や満足度はさまざまなので、「少し早いかな?」「間隔が長すぎるかも?」と感じても、赤ちゃんが元気で体重が順調に増えていれば心配いりません。
おしっこやウンチをしてお腹がスッキリしたり、昼間に起きている時間が長い時は、赤ちゃんが欲しがる時間が短くなるかもしれません。
逆に、便秘気味やよく眠る時は、間隔があくこともあるかもしれません。
あくまでも目安として、赤ちゃんのペースを大切にしてあげてくださいね。
生後3ヶ月は夜の授乳が減る子も増えてくる時期
生後3ヶ月の赤ちゃんは、少しずつ昼と夜の区別がついてきます。夜に4〜5時間続けて眠る子も出てきて、夜間の授乳が減ることがあります。
特にミルクを飲んでいる赤ちゃんは、母乳に比べてお腹が空きにくいため、夜にしっかり眠ってくれる場合もあります。ただし、夜中に何度も目を覚ます赤ちゃんもまだ多くいます。
どちらが正解というわけではないので、無理に間隔をあけようとせず、赤ちゃんの様子に合わせて対応していきましょう。
生後3ヶ月の赤ちゃんのミルクが足りているかどうかを見分けるサイン
生後3ヶ月の赤ちゃんがしっかりミルクを飲めているかどうかは、体重の増え方やおしっこやウンチの回数、普段のご機嫌など、日々の様子から少しずつ見えてきます。
体重がしっかり増えていればOK
生後3ヶ月ごろの赤ちゃんは、1日に15〜20gくらい体重が増えていれば、ミルクが足りている目安になります。
毎日測る必要はありませんが、10日に1回や、1ヶ月に1回くらいのペースで体重の増え方を確認しておくと安心です。
赤ちゃんの成長には個人差があるので、少しゆっくりでも、体重がすこしずつ右肩上がりで増えていれば心配しすぎなくて大丈夫です。
しばらく横ばいだったのに、ある日を境にぐんと増えることもあります。
体重を確認したときは、お住いの管轄の保健所に相談したり、子育て支援センターで身体測定をしてくれることもあります。また、ベビー用品を販売している店舗の授乳室などに、体重計を置いてくれていることもあります。
体重が気になる時には、赤ちゃんとお出かけしたときに、確認しても良いと思います。
地域母親支援サージファムでは、体重計を常備しています。
気になる時には、いつでもご来所ください。
おしっこの回数やご機嫌もポイントに
1日に10〜16回ほどおしっこが出ていて、薄い黄色であれば、ミルクはちゃんと飲めていると考えてよいでしょう。
逆に、おしっこの回数が少なかったり、色が濃くなっていたりする場合は、飲む量が少なくなっているかもしれません。
また、赤ちゃんがよく笑ったり、ご機嫌に過ごしていたりする様子が見られれば、お腹は満たされていると受け取れます。
もし、泣いてばかりだったり、おっぱいを探すようなしぐさをしているなら、お腹が空いている可能性もあります。
そんなときは、ミルクの量やあげるタイミングを見直してみましょう。
赤ちゃんがミルクを飲まないときに考えられること
赤ちゃんがミルクを飲まないときは、体調だけでなく、飲ませ方や気分など、さまざまな理由が隠れていることがあります。
やさしく見守りながら、少しずつ原因を探してみましょう。
ミルクの温度が合っていないかも?
赤ちゃんがミルクを嫌がるときは、ミルクの温度が赤ちゃんに合っていないのかもしれません。
熱すぎるとびっくりして飲んでくれなかったり、冷たすぎても嫌がることがあります。
作ったミルクは、一度しっかり熱湯で溶かしてから、人肌くらいまで冷ましてあげましょう。
手首の内側にちょんと垂らして、熱くなければ丁度良い温度です。冷ますときは、哺乳瓶を水につけて調整するとラクです。
毎回確認するのはちょっと手間に感じるかもしれませんが、赤ちゃんが心地よく飲めるように、温度のチェックは忘れずにしてあげてくださいね。
地域母親支援サージファムに遊びに来る赤ちゃんたちも、熱めが好き、適温が好き、ぬるめが好きなどのお好みがあることが多く、個人差があります。
ミルクを飲みにくい姿勢や哺乳瓶の可能性も
赤ちゃんがミルクを上手く飲めないときは、飲ませるときの姿勢や哺乳瓶の乳首の形が合っていないこともあります。
横抱きだと胃の形の影響で満腹感を早く感じやすく、思ったより飲んでくれないことがあります。
首がしっかりしてくる生後3ヶ月ごろからは、少し上体を起こした姿勢のほうが飲みやすくなることもあります。
哺乳瓶の角度もポイントで、乳首に空気が入らないよう、少し傾けてあげましょう。
また、乳首の穴の大きさや柔らかさが赤ちゃんに合っていないと、飲みづらさの原因になることがあります。
赤ちゃんの様子を見ながら、いろいろ試してみるのもおすすめです。
困ったときには、使っている哺乳瓶や乳首を持って、ご相談にいらしてください。
ゲップが出ずに苦しくなっていることも
赤ちゃんはミルクを飲むとき、一緒に空気も飲み込んでしまうことがあります。
空気がうまく出てくれないと、お腹が張ってしまって苦しくなり、次のミルクを受けつけないことがあるのです。
特にゲップが上手に出ない赤ちゃんは、お腹がモヤモヤして、泣いたり不機嫌になることもあります。
授乳の後には、赤ちゃんを縦抱きにして、背中をやさしくトントンしてあげてみてください。
無理にゲップを出さなくても、落ち着いた雰囲気でそっと促してあげれば大丈夫です。
少し時間をあけてから、もう一度ミルクをあげてみると、すんなり飲んでくれることもありますよ。
お腹が空いていないだけの場合もある
赤ちゃんがミルクを飲まないと「どこか具合が悪いのかな?」と心配になりますが、お腹がいっぱいなだけということもあります。
前の授乳でしっかり飲めていたり、眠気や遊びたい気分のときには、あまり飲もうとしないこともあります。
大人と同じで、赤ちゃんにも「今はそんなにいらないかな」という気分の波があるのです。
毎回きっちり決まった量を飲まなくても、機嫌が良くて、おしっこや体重が問題なければ、様子を見ても大丈夫なことがほとんどです。
赤ちゃんのペースを大切にしながら、焦らずゆったり見守ってあげてください。
生後3ヶ月の赤ちゃんがミルクを飲まないときはどうすれば良い?
生後3ヶ月の赤ちゃんがミルクを飲んでくれないときは、まず赤ちゃんの様子や周囲の環境を見直してみることから始めてみましょう。
授乳姿勢や環境を見直してみよう
赤ちゃんがなかなかミルクを飲んでくれないときは、まず授乳する姿勢や周りの環境を見直してみましょう。
お腹が苦しかったり、抱き方がしっくりこないと、赤ちゃんがミルクを飲みにくく感じてしまうこともあります。
少し角度を変えたり、抱っこする手を反対にしてみるのもおすすめです。
また、テレビや音、明るすぎる照明などが気になって集中できていないこともあるので、落ち着いた静かな空間で授乳してみるのも効果的です。
哺乳瓶の乳首を変えてみるのも手
赤ちゃんが哺乳瓶をくわえたのにすぐに離してしまうときは、乳首の形や材質が赤ちゃんに合っていないのかもしれません。
乳首にはやわらかいタイプやしっかり目の素材、丸い形や細いタイプなど、さまざまな種類があります。
月齢によっても適したものが変わってくるので、赤ちゃんの成長に合わせて見直してみましょう。
違う乳首に変えてみたら、すんなり飲んでくれたというケースもよくあります。
一度休憩してから再チャレンジしても◎
ミルクを飲ませようとしても、泣いて嫌がったり、そっぽを向いたりすることがありますよね。
そんなときは無理に飲ませようとせず、少し時間を置いてからまたチャレンジしてみましょう。
赤ちゃんにも気分がありますし、お腹が空いていないだけのこともあります。
一度抱っこしてあやしたり、好きなおもちゃで遊ばせたりして、気持ちを落ち着かせてからもう一度試してみると、すんなり飲んでくれることもあります。
まとめ
生後3ヶ月頃になると、赤ちゃんのミルクの飲み方や授乳のリズムも少しずつ落ち着いてきますが、「本当に足りているのかな?」と不安になることもありますよね。
赤ちゃんの成長には個人差があり、ミルクを飲む量やタイミングもそれぞれです。
育児に正解はないからこそ、目安やサインを知っておくことで、少し気持ちに余裕が生まれます。
それでも毎日頑張っているお母さんにとって、心の拠り所になる場所があると安心ですよね。
高崎市の「地域母親支援サージファム」は、そんなお母さんたちのための居場所です。
助産師による子育て相談や産後ケア、気軽なおしゃべりの場など、無理せず立ち寄れる工夫がたくさんあります。
育児を頑張りすぎてしまう前に、ぜひ一度訪れてみてください。赤ちゃんのこと、自分のこと、ちょっと話してみるだけで、心がふっと軽くなるかもしれません。
赤ちゃんの個性をお母さんと一緒にみつけていきながら、日々のお世話が楽しくなるお手伝いをさせていただきます。
