高崎市の産後ケア・母親支援
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フォローアップミルクとミルクの違いとは?それぞれの役割や使い方をやさしく解説

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この記事の監修
髙津 三枝子(特定非営利活動法人 地域母親支援サージファム)・助産師免許
・群馬大学大学院医学系研究科博士前期課程修了
・群馬県内看護系大学、助産師学校非常勤講師
毎日子育てに奮闘し、心身ともに疲れを感じているお母さま方を少しでもお助けしたいという想いから、
特定非営利活動法人 地域母親支援サージファムを設立いたしました。以来、皆さまの育児が少しでも楽になるよう、日々努めております。
赤ちゃんの成長に合わせて、母乳や育児用ミルクの量が少しずつ減ってくると、離乳食だけで栄養が足りているのか不安になることがあります。
そんなときに目にするのが、フォローアップミルクです。
育児用ミルクや牛乳と見た目はよく似ていますが、役割や使い方には違いがあります。
いつから使えばいいのか、そもそも必要なのか、気になるポイントもたくさんありますよね。
本記事では、フォローアップミルクと他のミルクとの違いや、上手な取り入れ方についてやさしくご紹介します。
目次
フォローアップミルクってどんなもの?
フォローアップミルクは、生後9か月ごろからの赤ちゃんに取り入れられるミルクで、離乳食だけでは足りにくい栄養をやさしく補ってくれる存在です。
母乳や育児用ミルクとは、多少役割が異なります。
母乳や育児用ミルクとの違いとは
フォローアップミルクは、赤ちゃんの離乳食が始まり、母乳や育児用ミルクの量が減ってくる頃に使う“栄養のサポート”のような役割です。
一方で、母乳や育児用ミルクは、0か月のころから赤ちゃんの命を支える「主食」のような存在です。それぞれの役割や成分には大きな違いがあります。
以下の表に、3つのミルクの違いをまとめました。
種類 | 使う目的 | 対象時期 | 主な成分の特徴 |
---|---|---|---|
母乳 | 栄養と免疫をまかなう | 生後すぐ~1歳ごろまで | たんぱく質・脂質・ビタミンなどが自然に含まれる |
育児用ミルク | 母乳の代わりとして使う | 生後0か月~12か月 | DHAやオリゴ糖、亜鉛・銅も含まれる |
フォローアップミルク | 離乳食で足りない栄養を補う | 生後9か月~3歳ごろ | 鉄・カルシウム・ビタミンDなどを強化 |
育児用ミルクとフォローアップミルクの主な違いは、以下の通りです:
• 使用目的
→ 育児用ミルクは母乳の代用。フォローアップミルクは離乳食の補助。
• 栄養
→ 育児用ミルクには亜鉛や銅など母乳に近い栄養も。フォローアップミルクには鉄やカルシウムが多め。
• 使用する時期
→ 育児用ミルクは0か月から。フォローアップミルクは9か月頃からが目安。
母乳や育児用ミルクとフォローアップミルクは、見た目は似ていても、目的も内容も全く異なる点に注意しましょう。
牛乳の代わりに使えるって本当?
牛乳にはカルシウムは多く含まれていますが、赤ちゃんにとって大切な鉄分やビタミンD、DHAなどがあまり含まれていません。
そのうえ、牛乳を早くからたくさん飲ませると、鉄分不足になってしまう心配もあります。
フォローアップミルクは、栄養の偏りを補えるように作られていて、赤ちゃんの体に負担をかけにくい設計になっています。
味もほんのり甘めで飲みやすいので、牛乳をそのまま飲ませるよりも安心して使える場面が多いかもしれません。
H2.フォローアップミルクのタイミングと使い方の目安
赤ちゃんの成長に合わせて、ミルクの与え方も少しずつ変わっていきます。
フォローアップミルクを始めるタイミングや取り入れ方の目安を知っておくと、日々の食事の時間が穏やかになります。
生後9ヶ月以降の赤ちゃんにあげるのが基本
フォローアップミルクを飲み始めるタイミングは、生後9ヶ月頃からがひとつの目安です。
生後9ヶ月頃の時期になると、赤ちゃんの食事は1日3回の離乳食が中心になってきて、母乳や育児用ミルクの量が少しずつ減っていきます。
その場合、母乳などから摂れていた鉄分などの栄養が不足しがちになることがあります。
フォローアップミルクは、栄養不足や偏りを補ってくれる存在です。
ただ、離乳食をしっかり食べていて栄養バランスも取れている場合は、あえてフォローアップミルクを飲ませる必要がないこともあります。
赤ちゃんの食べる様子や成長に不安があるときは、小児科や助産師さんに相談してみると安心です。
「離乳食の後」に飲ませてあげると◎
フォローアップミルクを飲ませるタイミングは、離乳食を食べ終わった後がおすすめです。
赤ちゃんのお腹はまだ小さいため、先にミルクを飲んでしまうと、ご飯が入らなくなってしまうことがあります。
離乳食をしっかり食べた後に、飲みもののような感じでフォローアップミルクを取り入れてあげると、栄養もスムーズに補いやすくなります。
いつ飲ませるかは家庭の生活リズムに合わせて大丈夫ですが、出来るだけ「ご飯の後」と決めておくと、赤ちゃんにも習慣がついていきやすくなります。
どれくらいの量をあげれば良い?
フォローアップミルクの量は、赤ちゃんの月齢や食事の進み具合によって変わってきます。
目安としては、以下の通りです。
年齢別の目安量
月齢 | 飲ませるタイミング | 1回の目安量・回数の目安 |
---|---|---|
9〜12ヶ月ごろ | 離乳食のあと・おやつの時間など | 約80〜100ml 1日3〜4回程度 |
1〜3歳ごろ | 食間やおやつの時間など | 約200ml 1日2回程度 |
※あくまで目安です。赤ちゃんの体調や食欲によって調整してください。
また、量だけでなく「いつ飲ませるか」も大切なポイントです。
飲ませ方のちょっとした工夫
• 離乳食の後にあげると、食事のじゃまをしにくい
• お腹が空いたタイミングにあげると、無理なく飲んでくれる
• 遊びながら少しずつ飲むこともあるので、時間に余裕をもって対応するのもおすすめ
赤ちゃんによって飲む量や好みはそれぞれです。「きっちりこの量でないとダメ」ということはないので、赤ちゃんの様子をよく見ながら、心地良いペースで続けていきましょう。
H2.本当に必要?フォローアップミルクが向いているケースとは
赤ちゃんの成長や食事のペースはひとりひとり違うので、フォローアップミルクを使うかどうかも家庭によって様々です。
いくつかのよくあるケースを見ながら、必要性を考えてみましょう。
離乳食をあまり食べてくれないとき
離乳食を始めたけれど、赤ちゃんがなかなか食べてくれないと「ちゃんと栄養がとれているのかな…」と心配になることもありますよね。
生後9ヶ月頃は、赤ちゃんの体も心もどんどん成長していく大切な時期です。
しかし、まだ食べることに慣れていなかったり、食べムラがあったりして、必要な栄養を食事だけで取ることはなかなか難しいものです。
そんなとき、フォローアップミルクを取り入れると、食事だけでは足りない栄養をやさしく補ってくれます。
少しずつ離乳食に慣れていけるよう、必要に応じてフォローアップミルクを取り入れていきましょう。
鉄分やカルシウムが不足しがちなとき
赤ちゃんの成長には、鉄分やカルシウムといった栄養素が非常に大切です。
生後9ヶ月を過ぎる頃には、母乳や育児用ミルクの回数が減っていくため、栄養が不足しやすくなることがあります。
離乳食の中でバランスよく栄養をとることが理想ですが、毎日きちんと食べてくれるとは限りません。
そんなとき、フォローアップミルクは必要な栄養を自然に補ってくれるので、赤ちゃんの体づくりを無理なく支えてくれます。
体重の伸び方が気になるとき
定期健診で「ちょっと体重の増え方が緩やかですね」と言われたり、同じくらいの月齢の赤ちゃんと比べて心配になったりすることってありますよね。
でも、赤ちゃんの成長には個人差があるので、焦る必要はありません。
それでも、離乳食をあまり食べなかったり、好き嫌いが強かったりして、栄養が足りているか不安になることもあると思います。
そんなとき、フォローアップミルクを取り入れることで、食事だけでは補いきれない栄養をやさしくプラスすることができます。
H2.フォローアップミルクの注意点とは
フォローアップミルクは便利な反面、使い方によっては気を付けたいポイントもいくつかあります。
赤ちゃんの成長を見守りながら、安心して取り入れていけるように、注意点を確かめていきましょう。
甘さに慣れすぎると離乳食を嫌がることも
フォローアップミルクは、赤ちゃんが飲みやすいようにほんのり甘く作られています。
例えば、オリゴ糖が入っていて、すっきりとしたやさしい甘みがあります。
赤ちゃんが、甘さを気に入ってたくさん飲むようになると、野菜やおかゆなど、味の薄い離乳食をあまり食べたがらなくなることがあります。
フォローアップミルクが好きなのは悪いことではありませんが、飲む量が多すぎると、食事のバランスが偏ってしまう心配もあるでしょう。
そんなときは、フォローアップミルクをそのまま飲ませるのではなく、おかずやスープに少し混ぜて使ってみるのもおすすめです。
フォローアップミルクだけでは栄養が偏る可能性も
フォローアップミルクは、離乳食だけでは足りない栄養を少し補いたいときに使われる飲み物です。
そのため、育児用ミルクや母乳のように「これだけ飲んでいれば安心」というものではありません。
例えば、鉄分やカルシウムはしっかり入っていますが、他の栄養素は十分にカバーできないこともあります。
特に赤ちゃんの体が成長していく時期は、バランスの取れた食事がとても大切になります。
フォローアップミルクは、“食事のサポート役”として、離乳食と一緒に取り入れていくことがポイントです。
哺乳瓶のまま飲み続けると虫歯のリスクがある
フォローアップミルクには、赤ちゃんが飲みやすいようにほんのり甘みがついています。
そのため、お口の中に残ってしまうと虫歯の心配につながることがあります。
特に哺乳瓶で飲んでいると、ミルクが歯に残ったままになりやすく、前歯に虫歯が出来やすくなるのです。
1歳を過ぎたころからは、出来るだけコップやマグで飲むようにしていくと良いでしょう。
飲んだ後はお水や麦茶をちょっと飲ませたり、少しずつ歯みがきの習慣を始めてみたりするのもおすすめです。
H2.フォローアップミルクの上手な取り入れ方
フォローアップミルクは、単に飲むだけでなく、料理にも取り入れやすいのが特徴です。
赤ちゃんの様子に合わせて、やさしく取り入れる工夫をしてみましょう。
離乳食に混ぜて使うと飲みやすい
フォローアップミルクは、味の好みに個人差があるため、なかなかそのまま飲んでくれないこともあります。
そんなときは、赤ちゃんがいつも食べている離乳食に、少し混ぜてみるのがおすすめです。
例えば、かぼちゃやじゃがいものペースト、スープに少し加えると、ほんのり甘みが加わって、味に慣れやすくなります。
ごはんと一緒に炊いてお粥にするのも、やさしい味で取り入れやすい方法です。
無理なく、少しずつミルクの味に親しめるようになるので、赤ちゃんもママ・パパも気持ちがラクになりますよ。
ミルク粥やパンケーキにもアレンジOK
フォローアップミルクは水に溶けやすく、使い勝手が良いのが特徴です。
牛乳の代わりに料理やおやつに取り入れると、自然に栄養をプラスできます。
例えば、ミルク粥やスープ、ホットケーキや蒸しパンに入れてみると、やさしい甘さが出て、赤ちゃんも食べやすくなります。
離乳食後期から完了期のメニューは特におすすめです。
食事の楽しさが広がるだけでなく、鉄分やカルシウムなどの大切な栄養も一緒に取れるので、気負わずに栄養を補えるのが嬉しいですね。
無理に飲ませず、食材から栄養を補う方法も
どうしても、フォローアップミルクが苦手な赤ちゃんもいます。
そんなときは、無理に飲ませようとせずに、食事から栄養を補ってあげることも十分可能です。
例えば、鉄分が豊富なレバーやしらす、カルシウムがとれるヨーグルトや豆腐、ビタミンDが含まれる魚や卵など、身近な食材で栄養バランスを整えられます。
赤ちゃんが「おいしい」と感じる形で取り入れられると、食事の時間も楽しくなります。
焦らず、赤ちゃんのペースを大切にしてあげることが一番です。
H2.まとめ
フォローアップミルクは、離乳食だけでは足りにくい栄養をやさしく補ってくれるため、非常に頼りになる存在です。
ただし、赤ちゃんの様子や食事の進み具合に合わせて、取り入れ方を工夫することが大切になります。
料理に混ぜたり、他の食材で栄養を補ったりと、柔軟な使い方ができるのも魅力です。
毎日の食事が楽しい時間になるように、赤ちゃんのペースを大切にしながら見守っていきたいですね。
サージファムについて
私たちは、高崎市を拠点に、お母さんたちがほっと安心できる居場所をつくりたいという思いで活動しています。
「サージファム」は、フランス語で“助産師”や“賢い女性”を意味する言葉です。
助産師による子育て相談や、ママ同士が気軽に集えるサロン、産後の心と体を整えるデイケアなど、子育てをがんばるお母さんに寄り添うサポートを大切にしています。
ミルクの卒業の仕方、フォローアップミルクへの切り替え、離乳食の進み方などの悩みをお持ちのお母さんもたくさんご利用されています。
お子様の個性に合わせて、また、お母さん達の生活スタイルに合わせたご提案をさせていただいています。
ひとりで抱え込まずに、少しでも気になることがあれば、いつでも気軽に立ち寄ってみてくださいね。
