高崎市の産後ケア・母親支援
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体重が増えない?生後3ヶ月の赤ちゃんの成長をサポートする方法
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この記事の監修
髙津 三枝子(特定非営利活動法人 地域母親支援サージファム)・助産師免許
・群馬大学大学院医学系研究科博士前期課程修了
・群馬県内看護系大学、助産師学校非常勤講師
毎日子育てに奮闘し、心身ともに疲れを感じているお母さま方を少しでもお助けしたいという想いから、
特定非営利活動法人 地域母親支援サージファムを設立いたしました。以来、皆さまの育児が少しでも楽になるよう、日々努めております。
生後3ヶ月頃になると、赤ちゃんの体重が思うように増えず、不安に感じるお母さんも多いかもしれません。実は、この時期は体重の増加がゆっくりになることがよくあります。
それでも、母乳の量や授乳の回数、赤ちゃんの様子など、気になる点があれば少し工夫をすることでサポートできます。本記事では、赤ちゃんの体重が増えにくいときの原因や対処法について、詳しく解説していきます。
生後3ヶ月の赤ちゃん、体重が増えない原因って?
生後3ヶ月の赤ちゃんの体重が増えない理由には、さまざまな原因が考えられます。母乳不足や授乳回数の少なさ、下痢や嘔吐、消化不良、病気などが一因です。
母乳が足りていない
母乳が足りていないと、赤ちゃんは頻繁におっぱいを欲しがることが多くなります。
通常、生後3ヶ月頃になると授乳の間隔が少しずつ空いてくるものですが、もし1時間以内におっぱいを欲しがっていたり、授乳後も泣き止まないことがあれば、母乳が不足しているかもしれません。ご自身のお胸の張り具合も意識してみると良いでしょう。
また、赤ちゃんが一度にあまり飲めていないように見える場合や、飲んでもすぐに欲しがるようであれば、直接吸わせる回数や時間を見直すサインかもしれません。
授乳の回数が少ない
授乳の回数が少ないことが、体重が増えない原因になっていることもあります。生後3ヶ月の赤ちゃんは、1日に母乳やミルクを場合、8〜10回飲むのが目安です。
もし、授乳の回数が少ないと感じる場合は、赤ちゃんが十分な栄養を摂れていない可能性があります。授乳の時間や頻度を見直し、赤ちゃんの機嫌や泣き方をよく観察してみましょう。
下痢や嘔吐が続いている
赤ちゃんが下痢や嘔吐を繰り返している場合、栄養や水分が十分に吸収されず、体重が増えにくくなることがあります。授乳後に頻繁に吐いてしまう、または下痢が長く続くようなら、注意が必要です。
下痢や嘔吐は一時的なものもありますが、続く場合は病気のサインかもしれませんので、早めに小児科を受診して相談してみるのが安心です。
消化がうまくできていない
赤ちゃんの消化機能が未熟で、うまく消化できていない場合も、体重がなかなか増えないことがあります。
例えば、授乳後にお腹が張っている様子や、便秘が続いている場合は、消化不良を疑ってみても良いでしょう。消化をサポートするためには、授乳の方法を工夫したり、赤ちゃんの体調に合わせてお母さん自身の食事内容を見直しのも良いでしょう。
病気や先天的な問題を抱えている
赤ちゃんが病気や先天性の問題を抱えている場合、体重が増えにくいことがあります。特に、心臓に問題がある赤ちゃんは、授乳中に疲れやすく、十分に飲めないことがあります。
例えば、授乳中に息が上がったり、飲むのを嫌がったりする場合、心臓や他の健康問題が原因かもしれません。心配なことがあれば、かかりつけの医師に相談してみましょう。
体重が増えなくても心配いらないケースとは?
体重が増えなくても、赤ちゃんが元気で日常的に機嫌よく過ごしている場合は、心配する必要がないことが多いです。生後3ヶ月頃の赤ちゃんは、体重増加が緩やかになる時期でもあります。
成長の目安として、母子手帳の中の乳児身体発育曲線を活用するのも良いでしょう。
また、身長の伸び具合も併せて確認すると、体重が増えなくても成長しているため、安心につながるでしょう。
元気で機嫌が良いなら大丈夫!
生後3ヶ月の赤ちゃんが元気で、機嫌よく過ごしているなら、体重があまり増えなくても心配する必要はありません。赤ちゃんは個々に違うペースで成長しており、体重増加がゆっくりである場合もありますが、元気でしっかり遊んでいれば問題ないことが多いです。
体をよく動かしたり、笑ったり、声を出したりする様子が見られるなら、健康的に発育しているサインと考えてよいでしょう。
母乳やミルクの量が増えているなら心配なし
授乳量がしっかりと増えている場合、たとえ体重の増加がゆっくりでも大きな問題はないことが多いです。生後3ヶ月頃になると、赤ちゃんは1回の授乳で多くの母乳やミルクを飲めるようになります。
ウンチやおしっこの回数が多い場合は、増えにくいこともあります。
もし飲む量がしっかり増えているのなら、赤ちゃんの成長に必要な栄養は十分に摂取できていると考えられます。体重がすぐに増えなくても、しっかり授乳できている様子があれば安心です。
身長や頭囲がちゃんと成長しているなら安心
体重だけでなく、身長や頭囲の成長も大切な指標です。生後3ヶ月頃の赤ちゃんは、体重の増加がゆっくりになることがある一方で、身長や頭囲がしっかり伸びていることもあります。
身長や頭囲の成長が見られるなら、体重が増えにくくても、発育は順調である可能性が高いです。定期的な検診で身長や頭囲を測ることで、全体の成長バランスを確認してみましょう。
赤ちゃんの体重が増えないときにできる工夫
赤ちゃんの体重がなかなか増えないときには、いくつかの工夫を試してみることで改善が期待できます。日常生活に取り入れやすい工夫を続けることが大切です。
こまめに体重をチェックしよう
赤ちゃんの体重が増えているかどうかは、だいたい1週間くらいの間隔で確認すると良いでしょう。
心配な時は、家庭用のベビースケールを使って、定期的に測定することをおすすめします。
体重計を設置しているお店やショッピングモール、保健所などでも測定できます。
特に生後3ヶ月の時期は、体重の増加が緩やかになることが多いですが、測定することで成長のペースを把握しやすくなります。1回の測定だけではなく、定期的なの記録をつけることで体重の増加の傾向がわかり、安心材料になります。
授乳やミルクの記録をつけるのもポイント
赤ちゃんが母乳やミルクをどのくらい飲んでいるかを記録することも、体重が増えない場合に役立ちます。授乳回数やミルクの量を把握することで、適切な量が与えられているか確認でき、必要であれば授乳回数を調整することができます。
スマホアプリや手書きのノートを使って、1日の授乳時間や飲んだ量をメモすると便利です。記録をもとに小児科医に相談する際も、具体的なデータを提示できるので安心です。
母乳不足と感じたときにできること
母乳が足りていないと感じたときは、いくつかの方法を試すことで授乳がスムーズになるかもしれません。日常生活で取り入れやすい工夫を試してみましょう。
授乳の回数を見直してみよう
生後3ヶ月になると、赤ちゃんは1回の授乳で多くの母乳やミルクを飲めるようになります。しかし、もし赤ちゃんが頻繁に授乳を求めるようであれば、母乳が足りていない可能性があります。
母乳不足が心配な場合は、授乳の回数や時間帯を見直してみましょう。母乳は赤ちゃんが飲めば飲むほど分泌が促進されるため、赤ちゃんが欲しがるタイミングで頻繁に授乳することが効果的です。
母乳の分泌しやすい時間帯は、深夜から明け方に母乳を分泌するスイッチが入りやすいです。母乳不足を感じた場合、眠い時間帯ではありますが、この時間帯に母乳を吸わせてみても良いでしょう。
また、夕方から深夜にかかるまでの時間帯は、母乳の分泌はしにくくなります。その時間帯に、母乳不足を感じる場合は、ミルクを追加することをお勧めします。母乳が出にくい時間に吸わせることを頑張っても、母乳の分泌量は増えません。この時間帯は、お母さんの体をお休みする時間にしても良いでしょう。
ミルクを追加する目安って?
母乳だけでは足りていないかもと思ったら、ミルクを追加する方法もあります。ミルクを追加する目安としては、赤ちゃんが授乳後も満足していない様子を見せる場合や、体重が十分に増えていない場合です。
ミルクの量は、赤ちゃんの体重や授乳の頻度に合わせて調整しましょう。ミルクを追加するか迷ったら、かかりつけの医師や助産師に相談してみると安心です。
体重が気になるとき、お医者さんに相談するタイミング
赤ちゃんの体重が増えないと心配になるかもしれませんが、相談すべきタイミングを知っておくことで安心につながります。
こんなサインが出たら相談を!
生後3ヶ月の赤ちゃんの体重が増えないだけでなく、授乳量が減ったり、母乳やミルクを飲んでもすぐに吐いてしまう場合は、病院に相談するのが安心です。
体重増加が1週間以上見られない場合や、赤ちゃんが頻繁に下痢をする、発熱がある、顔色が悪いなどの症状が続くときも注意が必要です。こうした症状が見られる場合、赤ちゃんの体調不良が原因かもしれませんので、かかりつけ医に診てもらいましょう。
体重以外にも見ておくべき成長のポイント
体重が増えない場合でも、他の成長が順調なら大きな問題はないこともあります。身長や頭囲がしっかり成長していたり、赤ちゃんがよく動き、機嫌が良ければ、体重が増えなくても心配しすぎる必要はありません。
特に、首がすわり始めたり、手を動かして遊び始めるなど、赤ちゃんが新しい動きを見せるようであれば、成長は順調に進んでいるサインです。
よくある質問にお答えします!
赤ちゃんの成長に関する心配や疑問は、多くのお母さんが感じるものです。いくつかのよくある質問にお答えします。
Q.体重がなかなか増えないけど大丈夫?
生後3ヶ月ごろは、赤ちゃんの体重の増加が少しずつ緩やかになります。これまで急に増えていた体重も、この時期からは月に500グラム程度のペースで成長することが多いです。
乳児身体発育曲線の範囲内で少しでも増えているようであれば、大きな心配は不要です。ただ、赤ちゃんが元気でしっかりおっぱいやミルクを飲んでいるかを見守るようにしましょう。
Q.母乳だけで育てるのは不安…ミルクに変えたほうがいい?
母乳だけで育てている場合、赤ちゃんが元気でおむつの交換回数が1日6~8回あるなら、母乳は十分足りている可能性があります。
ただし、母乳が足りているか心配なときは、ミルクを少し足すのも良い方法です。
Q.赤ちゃんがよく寝ているけど、起こして授乳したほうがいい?
赤ちゃんが元気でよく眠っているときは、無理に起こして授乳する必要はありません。赤ちゃんは必要なときに自然と目を覚まし、授乳を求めます。
ただ、体重が順調に増えているか、授乳回数が極端に少なくないかを確認し、日々の変化を見守ることがポイントです。
まとめ
赤ちゃんの体重が増えないと心配になることもありますが、成長にはそれぞれのペースがあります。赤ちゃんが元気で機嫌よく過ごしていたり、しっかり授乳できていれば、大きく心配する必要はありません。
また、体重だけでなく他の成長の様子にも目を向けてみてください。毎日の様子を見ながら、少しずつできることを試してみると、安心して赤ちゃんの成長を見守ることができるでしょう。
地域母親支援サージファムでは、母乳や哺乳瓶を拒否される、うまく吸ってくれないなどの困った時には、赤ちゃんやお母さんの様子に合わせた解決策を一緒に考えていくこともできます。授乳や赤ちゃんの成長のご心配がある場合は、お気軽にお問合せください。