高崎市の産後ケア・母親支援
お役立ち情報
赤ちゃんの成長に役立つうつ伏せトレーニングの効果とコツを紹介
-
この記事の監修
髙津 三枝子(特定非営利活動法人 地域母親支援サージファム)・助産師免許
・群馬大学大学院医学系研究科博士前期課程修了
・群馬県内看護系大学、助産師学校非常勤講師
毎日子育てに奮闘し、心身ともに疲れを感じているお母さま方を少しでもお助けしたいという想いから、
特定非営利活動法人 地域母親支援サージファムを設立いたしました。以来、皆さまの育児が少しでも楽になるよう、日々努めております。
うつ伏せトレーニングは、赤ちゃんの成長にとても大切なエクササイズです。
赤ちゃんの首や肩、背中の筋肉を鍛え、運動能力を高める効果があります。うつ伏せになることで視野が広がり、赤ちゃんの好奇心を引き出すことができます。さらに、呼吸器の発達を促進し、頭の形の変形を防ぐ効果も期待できます。
本記事を通してうつ伏せトレーニングの正しいやり方やコツを知り、安全で楽しいトレーニングを行いましょう。
うつ伏せトレーニングはいつごろから?
うつ伏せトレーニングは、赤ちゃんが生後2ヶ月頃から始めるのが適しています。この時期には、赤ちゃんが機嫌の良い時に1日1~2回、最初は10秒程度から始めると良いです。
徐々に慣れてきたら、1日2~3分を数回行うようにし、少しずつ時間や回数を増やしていきます。うつ伏せトレーニングを通じて、赤ちゃんは次第に頭や顔を持ち上げるようになります。
トレーニングを楽しくするために、赤ちゃんの正面から声をかけたり、目の前におもちゃを置いたりして遊びながら行うと良いでしょう。うつ伏せの姿勢に対する抵抗感が減り、楽しくトレーニングが進められます。
うつ伏せトレーニングを行う5つのメリット
うつ伏せトレーニングには、赤ちゃんの筋肉強化、視野の拡大、頭の変形防止、呼吸器の発達促進、そして多様な感触を学べるといったメリットがあります。それぞれ詳しく説明します。
赤ちゃんの筋肉を強化できる
うつ伏せトレーニングは赤ちゃんの首、肩、背中、腕、足の筋肉を効果的に鍛えます。
赤ちゃんがうつ伏せになると、自分の体重や首、頭を支えようとする動きが自然に生まれます。体全体の筋肉がバランスよく強化され、首がすわる、お座り、つかまり立ちなどの発達がスムーズになります。また、筋肉が強くなることで、赤ちゃんの運動能力も向上します。
視野が広がり興味を引き出す
仰向けで過ごすことが多い赤ちゃんがうつ伏せになると、目線が変わり新しい視界が広がります。赤ちゃんの視野が広がり、周囲の物や人への興味が増します。
視界が変化することで、赤ちゃんの好奇心を刺激し、手や足を動かすきっかけとなります。視覚的な刺激が増えることで、脳の発達にも良い影響を与えることが期待できます。
頭の変形を防止する
長時間仰向けで過ごす赤ちゃんは、後頭部が平らになりやすく、頭の形が変形するリスクがあります。うつ伏せトレーニングを取り入れることで、頭部にかかる圧力を分散させ、頭の形が均等に保たれます。
むき癖の改善や頭の変形防止につながるだけでなく、バランスの取れた頭の形は、将来的な健康や発達にも良い影響を与えます。
呼吸器の発達を促進する
うつ伏せ姿勢は、仰向けよりも肺が広がりやすく、呼吸が深くなります。うつ伏せ姿勢での遊びやトレーニングにより、赤ちゃんの肺がしっかりと発達し、呼吸機能が向上します。
深い呼吸ができることで、体内の酸素供給が増え、全身の健康を支えます。特に、呼吸器系のトラブルを予防する効果も期待できます。
多様な感触を学ぶ
うつ伏せトレーニングを通じて、赤ちゃんは畳やマットなど様々な素材に触れる機会が増えます。手や足でそれらの素材を感じ、触覚の発達を促します。
異なる感触を学ぶことで、赤ちゃんの感覚器官が刺激され、発達が促進されます。この経験は、将来の運動能力や感覚統合能力の基礎を築く重要なステップとなります。
うつ伏せトレーニングの方法やコツ
うつ伏せトレーニングは、正しいやり方とコツを知ることで、赤ちゃんが安全かつ楽しく取り組むことができます。年齢や成長段階に応じた方法やコツを詳しくご紹介します。
生後2~3ヶ月のうつ伏せトレーニング
生後2~3ヶ月の赤ちゃんには、うつ伏せトレーニングを始めるのに最適な時期です。この時期の赤ちゃんは、首と頭がまだ発達し始めたばかりですので、無理せず短い時間から始めることが大切です。
赤ちゃんが機嫌の良い時に、まずはママやパパの胸の上でうつ伏せにさせてみましょう。仰向けに寝ているママやパパの胸の上で、赤ちゃんを抱っこしながらうつ伏せにしてみると安心感があり、赤ちゃんもリラックスしやすいです。
赤ちゃんの顔を見て話しかけたり、優しく触れたりしながらスキンシップを取りましょう。最初は10秒程度から始め、少しずつ時間を延ばしていくとよいでしょう。
生後4~6ヶ月のうつ伏せトレーニング
生後4~6ヶ月になると、赤ちゃんは寝返りを始めることが多くなります。この時期には、うつ伏せの状態で遊ぶ時間を増やすとよいです。赤ちゃんの前に好きなおもちゃを置くと、興味を引かれ積極的に動こうとします。
生後6ヶ月頃には、胸の下にタオルを敷いて、さらにうつ伏せの姿勢をサポートすると、赤ちゃんは胸を持ち上げて遊ぶことができるようになります。1回あたり3~5分程度を目安にし、赤ちゃんの機嫌を見ながら徐々に時間を延ばしていきましょう。
安全なうつ伏せトレーニングのポイント
うつ伏せトレーニングを行う際には、安全面に十分注意が必要です。赤ちゃんが顔を下に向けてしまうと窒息の危険があるため、常に目を離さずに見守りましょう。赤ちゃんの首や背中を支えるようにし、顔が横を向いていることを確認してください。
また、無理に長時間うつ伏せにさせるのではなく、赤ちゃんが嫌がったらすぐにやめることが大切です。赤ちゃんが楽しんでうつ伏せをすることができるように、リラックスした雰囲気で行いましょう。
うつ伏せトレーニングはどこで行う?
うつ伏せトレーニングは、赤ちゃんの成長段階に応じて適切な場所で行うことが求められます。
生後0~3ヶ月の赤ちゃんには、ママやパパの胸や膝の上で行うのが良いでしょう。生後4ヶ月以降の赤ちゃんには、清潔な床や畳の上にプレイマットやブランケットを敷いて行います。赤ちゃんが動いたときにブランケットが滑らないように、しっかりと固定することが重要です。
また、窒息や転落のリスクを避けるために、柔らかい布団やベッド、ソファの上では行わないようにしましょう。布や枕を近くに置かず、硬いマットの上で行うと安全です。
うつ伏せトレーニングは1日に何回くらい行う?
うつ伏せトレーニングは、赤ちゃんの機嫌が良いときを見計らって、1回あたり2~3分を1日に数回行うことから始めると良いでしょう。
初めは短時間でも問題ありません。10秒程度からスタートし、赤ちゃんが慣れてきたら少しずつ時間と回数を増やしていくと良いです。
うつ伏せトレーニングの注意点
うつ伏せトレーニングを行う際の注意点をご紹介します。
柔らかい布団は避ける
赤ちゃんの首がしっかり座っていない場合や疲れている時に、柔らかい布団やクッションの上でうつ伏せトレーニングを行うのは避けましょう。顔が下を向いて窒息する危険性があるためです。
硬めのマットや畳の上でトレーニングを行い、赤ちゃんの顔が埋まらないように注意してください。顔が埋まりやすい物を遠ざけることも重要です。
常に赤ちゃんを見守る
うつ伏せトレーニング中は、必ず親がそばで見守るようにしましょう。
短時間でもその場を離れると、大きな事故に繋がる可能性があります。どうしても目を離さなければならない場合は、必ず赤ちゃんを仰向けにしてからその場を離れるようにしてください。見守りがない状況でのうつ伏せは避けるように心掛けましょう。
眠る時は赤ちゃんを仰向けにする
うつ伏せのまま赤ちゃんを寝かせることは避けましょう。うつ伏せ寝はSIDS(乳児突然死症候群)のリスクを高める要因の一つです。
赤ちゃんが眠りそうになったら、必ず仰向けに戻して寝かせてください。うつ伏せで遊ばせる時間は起きている時だけに限定し、眠る際には必ず安全な仰向けの姿勢にしましょう。
まとめ
うつ伏せトレーニングは、赤ちゃんの筋肉を強化し、視野を広げ、呼吸器の発達を促進し、頭の形の変形を防ぐなど、多くのメリットがあります。
生後2ヶ月頃から始めるのが理想的で、赤ちゃんの機嫌が良いときに短時間から始め、徐々に時間や回数を増やしていくことが望ましいです。安全面に十分注意しながら、赤ちゃんが楽しく取り組めるように工夫しましょう。
—–
地域母親支援サージファムでは、お母さんたちが安心して子育てできるように、日々サポートを行っています。サージファム(Sage Femme)はフランス語で「助産師」「賢い女性」を意味し、日本でも助産師が地域で頼られる存在になりたいという思いから名付けられました。
母親交流サロンSun-Barでのおしゃべりや、産後デイケア、乳腺炎や卒乳のマッサージ、子育ての個別相談など、さまざまなサービスを提供しています。お母さんたちが自分らしく子育てできるよう、温かいつながりと安心感を提供し、皆さんの心の支えになる場所を目指しています。ぜひ気軽に立ち寄って、サージファムの温かい雰囲気を感じてみてください。