高崎市の産後ケア・母親支援
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”育児はママの仕事”と思ってる?他人事な夫に少しずつ関わってもらうには

赤ちゃんとの暮らしが始まると、毎日がてんてこまい。
それなのに、夫がのんびり構えていたり、どこか他人事のように見えると、「なんでこんなに温度差があるの?」と感じることもありますよね。
育児を一緒に頑張りたい気持ちはあるのに、どう伝えたらいいか分からなかったり、そもそも夫がなぜ育児に関わろうとしないのかが見えないことも。
思い込みや育ってきた環境など、背景にはさまざまな理由があるのかもしれません。
本記事では、そんな“他人事パパ”の背景と、少しずつ関わってもらうための工夫についてお伝えしていきます。
目次
どうして夫は育児に無関心なの?
赤ちゃんが生まれて生活がガラッと変わったのに、夫はどこかのんびりしていて、まるで他人事のように見える…。
そんなふうに感じたお母さんも多いと思います。
どうして夫は育児に関わろうとしないのでしょうか。
「育児はママがやるもの」と思い込んでいる
夫が育児に消極的な理由のひとつに、「子育てはお母さんの仕事」という思い込みがあることがあります。
昔からよくある「男は外で働き、女は家を守る」といった考え方が、今も心のどこかに残っているのかもしれません。
たとえ子どもが生まれても、「自分は手伝う側」と感じてしまい、なかなか自分から動こうとしないことも。
お願いされれば手伝ってくれるけれど、主体的には関わろうとしない…。そんな姿にモヤモヤするお母さんも多いですよね。
でも、これは決して悪気があるわけではなく、考え方の癖のようなものかもしれません。
父親が育児しない家庭で育った影響
夫が育児にピンとこないのは、自分が子どもの頃に「育児するお父さん」を見たことがなかったからかもしれません。
昔は今よりも、父親が仕事中心で、家庭のことはすべて母親に任せっきりという家庭も多くありました。
そんな環境で育つと、「父親ってこういうもの」と無意識に思ってしまい、自分が子どもとどう関わればいいのか分からなくなってしまうのです。
「育児に参加する父親像」が身近にいなかったことで、自分がどう動けばいいのかイメージできないまま、大人になってしまっている場合も少なくありません。
自分の時間を優先してしまう
育児が大変なのは分かっていても、どうしても自分の時間を大切にしたい気持ちが勝ってしまう…。そんな夫もいます。
「平日は仕事でクタクタだから、休みの日くらいはのんびりしたい」と思ってしまう気持ちも、まったく分からないわけではありません。
ただ、休む間もなく育児に追われているお母さんの姿が目に入っていなかったり、「自分のことは自分で守らなきゃ」と思いすぎて、家族のことが後回しになってしまうこともあります。
決して育児が嫌いなわけではなく、ただ余裕がない…という場合もあるのかもしれませんね。
夫を“他人事パパ”から変えるためにできること
夫が育児に他人事のような態度だと、もやもやした気持ちになることもありますよね。
でも、ちょっとした声かけや工夫で、少しずつ変わっていくこともあります。
「見といて」じゃ伝わらない!お願いは具体的に
「ちょっと子どもの面倒を見ておいて」と頼んだのに、気づいたらパパはスマホを見ながらソファでくつろぎ中…。
そんな場面に心当たりのある方も多いかもしれません。
男性は、曖昧な指示だとどう動けばいいのかがわからず、結果として育児から距離を置いてしまうことがあります。
「子どもが泣いたら、ミルクをあげてね」「18時に離乳食を食べさせて」など、できるだけ具体的に伝えることが大切です。
例えば、紙に1日のスケジュールやお願いしたいことを書き出して貼っておくのも効果的です。
「どうしてわからないの?」と責めたくなる気持ちはぐっとこらえて、「こうしてくれると助かるよ」と穏やかに伝えることで、夫も育児に入りやすくなりますよ。
子どもとふたりきりの時間でスイッチが入る
「パパに任せるのが不安…」と思う気持ち、よくわかります。
でも、少しずつでも子どもとパパだけの時間を過ごすことは、父親としての自覚を育てる大事な時間となります。
最初は30分程度でも大丈夫。「ちょっと買い物に行ってくるね」と外出する口実を作って、ふたりだけで過ごしてもらいましょう。
パパが最初は戸惑っていたとしても、子どもの笑顔やしぐさに触れることで自然と心が動いていきます。
「泣いたらどうしよう」と思っても、案外パパなりに工夫して向き合ってくれたりします。
ママのいない空間でこそ、父親としての責任感や愛情が芽生えることもあります。
最初の一歩はおそるおそるでも、そこから少しずつ、子育てに参加する自信につながっていくことが多いです。
パパがお世話をしたあとの部屋やキッチンは騒然としていると思います。
パパが頑張った証としてみましょう。
片付ける前に、騒然とした部屋やキッチンの記念撮影もしておきましょう。
ママが赤ちゃんとの生活に不慣れだった時期と似た風景かもしれません。
その写真を眺めることでも、ママ自身のお世話の力がついてきていることも実感できるでしょう。
H3.できたことに「ありがとう」を忘れずに
例えばオムツ替えをしてくれたとき、ミルクをあげてくれたとき、つい「やっとやってくれた」と思ってしまうかもしれません。
でも、その小さな一歩に「ありがとう」と伝えることは、思っている以上に大きな意味があります。
特に育児に慣れていないパパにとっては、「ちゃんとできたかな?」「ママは満足してくれたかな?」と不安な気持ちでいっぱいなこともあるでしょう。
そこで感謝の言葉をかけてもらえると、「自分も役に立てた」と実感でき、次もまた頑張ろうと思えるのです。
ママの心に余裕がないときこそ、ひと言の「ありがとう」が家庭の空気をやわらかくしてくれます。
完璧じゃなくてもいい、少しずつ協力しようという気持ちを育てていくことが何より大切です。
最初は小さなことから任せてみる
いきなりすべてをパパに任せるのは、ちょっと不安もありますよね。
育児をまったくしてこなかった夫に「明日からお風呂も寝かしつけもよろしくね」と言っても、うまくいかないのは当然です。
まずは「夜のオムツ替えだけお願い」「絵本を1冊読んであげて」など、ほんの小さなタスクから始めてみましょう。
少しずつでも「自分にもできた」という経験を重ねていくと、自信がついていきます。
ママから見たら頼りなく感じるかもしれませんが、少しずつ子どもと向き合う時間を積み重ねることで、夫の中にも変化が芽生えていきます。
ママも無理せず、勇気をだして「お願いしてみる」「任せてみる」ことで、夫婦で育児をする感覚が少しずつ育っていきますよ。
夫が育児に関わらないとどうなる?
夫が育児にあまり関わらないままだと、ママの負担がどんどん大きくなってしまうことがあります。
そのうえ、パパと子どもの距離がなかなか縮まらず、心のすれ違いが生まれてしまうこともあるのです。
ママの身体と心が消耗してしまう
赤ちゃんのお世話って、本当に気が抜けませんよね。夜中の授乳や夜泣きに起きて、日中もずっと赤ちゃんの様子を見ながら、家事もこなして…と気づけば一日が終わっている。
そんな毎日を一人で続けていると、身体だけでなく、心まで疲れきってしまうことがあります。
たとえ赤ちゃんが寝ていても、「ちゃんと眠れてるかな?」「すぐに泣き出すかも」と気が休まらず、リラックスする時間がとれないのです。
もしパパが育児にあまり関わってくれないと、そのしんどさはどんどん積み重なってしまいます。
ちょっとした言葉にも傷つきやすくなったり、涙が出たり…それはママが頑張りすぎている証拠。
我慢しすぎないで、まずは気持ちを誰かに打ち明けてみてくださいね。
パパと子どもの距離が広がってしまう
赤ちゃんとの絆って、特別なことをしなくても、毎日のふれあいや関わりの中で、少しずつ深まっていくものです。
抱っこしたり、一緒に笑ったり、泣いた時にそばにいるだけでも、赤ちゃんは「この人は安心できる」と感じてくれます。
でも、もしパパがあまり育児に関わっていないと、赤ちゃんとの距離がなかなか縮まらないことがあります。
ママにばかり懐いて、パパが抱っこすると泣いてしまう…。
そんなことが続くと、パパの方も「自分は育児に向いてないのかな」と思い込んで、子どもと関わる機会を減らしてしまうかもしれません。
大切なのは、特別なことじゃなく、そばにいてあげること。たとえ少しずつでも、赤ちゃんとの時間を増やしていけば、きっと親子の関係は育っていきますよ。
不満が積もって夫婦仲にヒビが入る
出産前は仲良しだった夫婦も、育児をきっかけにすれ違いが増えてしまうことがあります。
ママばかりが育児や家事を抱えて、パパが自分のペースで過ごしていると、「どうして私だけがこんなに頑張ってるの?」という気持ちが、じわじわと積もっていきます。
最初は小さなモヤモヤだったのに、毎日続くと、ある日ふとした一言で大きなケンカに発展してしまうこともあります。
ママの心の中に、「この人にはもう何を言っても伝わらない」という思いが芽生えてしまったら、とても寂しいことですよね。
本当は、夫婦で一緒に子育てを楽しみたいし、助け合っていきたいと思っているはず。
小さなうちに気持ちを伝え合って、お互いの想いに目を向けることが大切かもしれません。
まとめ
夫が育児に関わらないままだと、ママの負担がどんどん大きくなってしまったり、夫婦のすれ違いが生まれてしまうこともあります。
でも、いきなりすべてを任せるのではなく、小さなことからお願いしてみるだけでも、少しずつ変化が見えてくることがあります。
「ありがとう」のひと言や、子どもとのふれあいの時間が、パパの気持ちを動かすきっかけになるかもしれません。
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